やさしさの起源
人のやさしさはどこに由来するのだろう
自分がこれまで生きてきた間に受けた
たくさんのやさしさの記憶
とりわけ母の愛を身体と心で
全身で受けた記憶が
それをもたらすのだろうか
母の愛にまさるやさしさはきっとないだろう
しかし もしかしたら
それはもっと昔に受けた愛にまで
遡るのかもしれない
私たちの記憶にもないはるかな昔に
私たちが受けた深い愛の記憶が
私たちにそれをもたらすのかもかもしれない
その深い記憶が子どもを護る
母の愛となって結実し
受け継がれてきたのかもしれない
そして それは時々
さらに普遍的な愛の形をとって
私たちの間に顕われるのではないだろうか
その愛とは何だろう
それは いのちに由来するものではないだろうか
この宇宙でいのちが生まれたとき
それを護る愛が
同時に生まれたのではないだろうか
そうだ
愛はきっと いのちから生じたものなのだ
愛はいのちそのものなのだ
そして これは人間のために用意されたやさしさの形かもしれない
そういう思いは 決して人間の奢(おご)りではなく
人間という存在に託された使命のような気がするのだ
あらゆるいのちとの共存の路を探すこと
いのちそのものに無限の愛をそそぐこと
それは この地上でいまや最高の進化を遂げてきた人間の
崇高な使命なのではないだろうか