自作詩歌 木洩れ日の記憶

 比べてはいけないもの


なんでも他のものと比べたがる人間
少しでも安いもの
少しでも得をするもの
少しでも良さそうに見えるもの
少しでも安全なもの
考えてみれば いつもことある度に
物事を比べることに明け暮れている私たち

けれど、本当は比べられないもの
比べることが許されないものがある
人の命と物のコスト
決して天秤にかけてはいけないものだ
それを天秤にかけたことが
とんでもない間違いだったと
後で気づいても取り返しはきかないのだ
目先の利益や損得だけに支配されている
この人間社会の在り方がどこかおかしいのだ
気付いていた人もいるのかもしれないが
コストの計算に支配されているこの社会の中で
その発言も異議申し立てもかき消されて
聞こえはしない
私たちはいつも他のものと比べることを
当然の行為と思って生きてきた
自分自身さえ人と比べられることに
甘んじてきた
人の価値は比べるものではない
能力や見かけの美しさや
弁舌のしたたかさを比べてみても
人間の価値 存在価値には決して到達はしない
まして 人の命と
自分たちの利益コストを同じ秤に
かけることはあってはならない
人の命は地球より重いと言ったひとがいる
この地上に住んでいる私たちは
地球より重いといえるものを
比較の対象にしてはならない
この世の中には 存在すること自体が無限の
計り知れない価値を持っているものもたくさんあるのだ