プロメテウスの怒りと嘆き
人間たちよ 私はお前たちの幸せと繁栄を願って
天界の戒めを破って、お前たちに火を授けた
私はそのことで ゼウス様の激しい怒りを買い
その責めを負って厳しい辛い刑罰を与えられた
それでも私は悔いはなかった
しかし 今地上に災いをもたらしているこの火は
お前たちが 勝手に持ち出し使い始めたものだ
この火は あの太陽神アポロン様さえ扱いに
大変手を焼いているものだ
どうして その技術も能力も持たないお前たちにそれを
赦すことができようか
お前たちの思い上がりも度を超しているというもの
この事態になればゼウス様のかっての怒りもさもあらんと
私は思うのだ
自分たちの能力 分限を分けまえず勝手に持ち出し
燃え広がった火の始末は それを完全に消しとめるまでは
お前たちがその責任を負わなければならない
それが 自分たちでできるかどうか私にもわからないが
その責めは自分たちでおわなければならない
私はもうお前たちのために庇いだてはしないぞ
それにしても とんでもないことをしてくれたものだ
何でも自分たちの思い通りにできると考えるのは
神様でもないお前たちのひどい思い上がりだ
有限の命しか持たないお前たちに
どうしてその何百 何千倍もの時間暴れまわる悪魔を
抑えることができようか
これにこりて 自分たちの力の及ばないものには
もう決して手を出さないことだ
私はもう少し賢くなる者たちと期待をしてお前たちを
この地上に送りだしたのだがその期待に反し
こんなに愚かな存在となるとは私の全くの見込み違いだったか
しかも前たちは 自分の利益のみを考え
互いに醜い争いを続け 仲間を傷つけあうとはなんとも情けない
お前たちを創った私が愚かだったのかもしれない