自作詩歌 木洩れ日の記憶
  絆
        井上秋博


人と人をつなぐ絆は太いほどよい
人の絆は数が多いほどよい
こんなひどい災害の時はどれほど多くの人が
心底それを思うかよくわかる
誰に言われなくても
きっと溢れるような思いで手を差し伸べるのだろう
わが身に振り返ればその悲しみ苦しみは
身にしみて思われるのだから
そうしないではいられない気持ちに駆られるのだ
ひとの絆は
災難が大きいほど、被害が深刻なほど
多くの人の心を動かし、大きく太くなっていくのだ
それはいのちをつなぐ愛のちから
人の苦しみ悲しみを自分のものとして
感じないではいられない人間の心の底にある
やさしさと愛のこころ
困っているひとに少しでも自分の力を役立てたい
なにか出来ることをしたいと願うのは
人の心に本来そなわっている
いのちへの愛の心に違いない
そうしてそれは確かに多くの人の
心のこもった愛の手と支援の輪となって
国中から、世界中から果てしない広がりをもって
寄せられていることを感じている
こんなにひどい未曾有の災害のときだからこそ
人間の気持ちの奥底にある慈愛のこころ
仏のこころの大きさをあらためて確信するのだ
平常の日常生活の悪意や犯罪に満ちた社会のようすに
失望すら感じている私の心をこんなにも
洗い清めてくれることを本当に嬉しく思う
そうだ
人の絆は決して細くも干からびてもいないのだと
そしてこの絆はもっと太くやさしい絆となって
多くの人に返っていくだろう
何故なら、この災害の悲しみや痛み苦しみを
身をもって経験した被災者だから
そして人の絆の嬉しさ暖かさを
だれよりもよく知っているから