自作詩歌 木洩れ日の記憶
  光と陰と 
               

むかし この世は混沌だった
長い間、混沌は混沌のままだった
時間さえ流れていたかどうか
誰にもわからない



あるとき時間が大きな欠伸をし
くしゃみをした
そのときこの世は大きくなみうち
混沌は光と闇とに分かれた


光はこの世の果てから果てを駆け廻り
闇はことごとくそれを遮った
光と闇との果てしないぶつかり合いの中で
たくさんのものやいのちが生まれ
時間のゆりかごに揺られて育った
物や事柄のすべては光と陰とに彩られ
この世に溢れた
 

ひとつのものが生まれ 同時に反対のものが生まれ
それらは激しくぶつかり 絡み合い 憎みあっても
互いに相手なしには自分も存在しない


私は思う
すべての事柄の存在する由縁と
相反する事柄の存在する由縁と、
それが生まれてきたたくさんの矛盾したものごとの中で
美しい光と陰に彩られた
今があることを



私が幸せなとき 嬉しいとき
その喜びをもたらし 支えているたくさんの苦しみや
不幸やかなしみがそれに繋がっていることを
あなたが悲しいとき じっと苦しみに耐えているとき
あなたが引き受けてくれた辛さと涙のなかで
あなたによって生まれ 溢れ出した限りないやさしさと愛が
世界中のたくさんの人々のために幸せを運んでいることを
そして明日あなたに訪れる幸せと喜びは
その分だけきっと大きいことを