早 春
寒き日の続く朝日の窓辺にも かすかに見ゆる陰の和らぎ
日差し立ち淡雪舞いてかがやきぬ 待ちわびし春仄見えし瞬間(とき)
去りゆける季節の歩み留めんと 雪の嵐の荒ぶ一日
麓から雪解け水の溢れきて 白き大地に響くせせらぎ
雪下より 今し季かと芽を擡ぐ 見つけし妻の声も弾みて
立ち並ぶ木々の根元は息づいて 円き形に雪の遠のく
彼方から花の便りの聞かれては 固き蕾に春を夢見ん
大空に波を描いて打ち寄せる 春の使いの声の連なり
寒き日々固く芽をつけ待つ春に 往時の里の君を重ねつ・・・