自作詩歌 木洩れ日の記憶
 一回でだめなら

一回でだめなら、二回
二回でだめなら、三回
四回目もあるさ
失敗するごとに人は強く逞しくなる
豊かにもなる

五回でだめなら十回
十回でだめなら、二十回
挑戦してみよう
山頂を目指して
山路を歩きながら考える

速さ、効率、成果
人の世の価値観とは――
それは正しいか
同じことを繰り返すことが無意味なら
あえて苦しさなど求めはしない。
一歩また一歩果てしない繰り返しの果てに
人は山頂へ立つ
この山に来るのは何度目か・・・
流れる汗を拭き、
心地よい渓流の響きを聞きながら
落ち葉を踏みしめ
遥かなる山頂を目指す

百回、千回、二千回・・・
数えることを忘れても
繰り返すことに意味はある
いや意味など問題ではない
挑戦すること
それは生きていることのあかし
いのちの輝き

見えてくる山頂を仰ぎながら
一歩また一歩、土を踏みしめる
人の世の哀しい価値観、不条理な現実
ひたすら繰り返す無限のいのちの連鎖のなかで
悠久の自然をつらぬく真理と原理を思う
どれほどの挑戦と失敗の繰り返しのなかで
この豊かな地球と私たちのいまがかたち創られてきたことか

挑戦すること、失敗すること
それは生きていることのあかし
いのちの姿
それは彼岸に達することへの祈り
そして決して失われることはない
未来への希望なのだ