自作詩歌 木洩れ日の記憶
 彼岸花
         
秋が来ると
夜空に炸裂する花火のように
もつれて絡んだひもを
鬼の髪の毛のように振り乱して
真っ赤に咲き乱れる
彼岸花


この世に残した思いを
いちめんに漂わせて
野原いっぱいに咲き乱れる
おまえはかなしみの色
数え切れない人の魂が残した
血の滴るようなかなしみの色


夏が過ぎると
思い出したように
花開く
炎のような花びらを
いっぱいにつけて
野原を真っ赤に焦がして
この世に生まれてきた
楽しいはずのいのちの日々を
叶えられずに死んでいった人の思いが
地面の下から突き上げてくるように


夏になるといつも
私は思い出す
やがて咲く
野原いちめんに咲き乱れる
あの真っ赤な彼岸花を
目の底に焼きつくような
花の色を