火
人類が初めて火を自由にしたとき
思った
とうとう我々は野獣から自由になった
いや この世界の王者になれるのだと
そして
火をとりあつかう人間を
特別の存在として巫女と崇めた
火は神聖なものであった
さらに
そのもっとも偉大な象徴が太陽であった
火と太陽
そのどちらも我々人間に
限りない暖かさと恵みを与えてくれるものだ
けれど
火は少し離れて暖をとるものだ
直接火に手を触れればやけどをする
太陽は地球から1億五千万キロも離れている
灼熱の火の玉でその熱エネルギーの源は
核融合反応なのだ
あれだけ遠いところにあるから
放射能さえ気にせず
私たちは安心して太陽を崇め
その恩恵にいつもあずかっていられるのだ
プロメテウスは天界の火を盗んで人間に与え
全能の神ゼウスに罰せれたそうだが
それが 原子の火ならば
もしかしたら私たちは
太陽の火に直接手を触れるような
愚かなまねをしているのかもしれない
ひどいやけどをする前にもう一度考えてみよう
科学や技術を手に入れた人間は
なんでもでもできないことはないと自負しているが
果たしてどうなのだろう
できることは果てしなくあるだろう
しかし きっと手を出してはいけないものもあるのだ